2025.08.09 | PRODUCT STORY

NICE TO MEET YOU [MINIKOBAKO]

NICE TO MEET YOU [MINIKOBAKO]

誘う・ネチる・巻く3つの動きで喰わせの一手を
トップチヌに求められる2つのルアー

 私、新自身が考えるトップチヌに必要なルアーを大きく分けると2つに分類される。

①水を押しながら短い距離で細かく誘うルアー

②あまり水を押さずに、広範囲を早くサーチするルアー

 前者は小規模河川や瀬周り、壁チヌ等のピンスポットから誘い・興味を引き・飽きさせずにバイトまで持ち込む事が出来るかを重視している。チェイスしてくるゾーンが2m範囲、場合によっては1m以内になる事が多い上記シチュエーションでは移動距離を抑えながらも誘い続ける事が必要になってくる。

 後者はサーフ・河川・ゴロタ等のシャローフラットやイワシ・ハク等のベイトパターン、音や水押しを極端に嫌がる場合などに必要になってくる。

 前者を目指して設計したのがミニコバコである。

なぜミニコバコが必要だったのか

 常々思っていたのはポッピングが得意なタイプだと「興味を引いて誘えてもネチれなくて喰わせられない」。かといって細かなドッグウォーク=ネチりが得意なタイプだと「興味を引く事が出来ずにネチりで喰わせる以前にチヌが勝負の土俵に出てこない」というジレンマ。さらに、それぞれ1種ずつ手元にあったとして、今日の好みを理解するまでに細かなローテーションを必要としていた。

 このストレスを解消する事が【ミニコバコ】のスタートである。

 ポッピングで誘い、追尾してきたチヌに対してネチりで距離を詰めさせて喰わせまで持ち込む。ただ、実際はそう単純ではない事がほとんど。誘い・ネチりに移行して距離を詰めたと思えば、少し飽きたようなそぶりを見せる。そこに小さなポッピングでもう一度スイッチを入れなおす。ポッピングを嫌う日であるならネチりの中で「逃がし」と呼んでいる少しだけ大きなスライドを入れてスイッチを入れなおす。そもそも、ポッピングやドッグウォーク(ネチり)に反応せず追尾さえしないのであれば、水面に落ちた虫のような細かなシェイキングに反応する場合もあり、逆に怒らせるような強いポッピングと水押しに反応する日もある。

 このように「トップチヌ」と一括りにしてもその日に効くアクションは千差万別。それぞれのチヌには個性があって好き嫌いがある。反応しない・喰わせられないからと諦めることなく、あらゆる一手を繰り出してチヌを追い詰めていく為に必要なのが【ミニコバコ】なのである。

 

誘う・ネチる・・・巻く??

 誘う・ネチるを両立させることの重要性は先に説いた通り。それでは「巻く」とは何か?

 これには二つの理由がある。まず一つ目は「極端にスレたチヌを狙う一つの選択肢」である。上空を通ったルアー、もはや10lbクラスのリーダーにさえ怯えて一目散に逃げていくケースが多々ある。これは特に都市型河川やワンド内に溜まる個体に顕著。上手くコースを切れたとしても、アクションをすればラインが水面を叩くことは避けられない。そこで必要なのが「巻く」という選択肢である。巻けばラインは左右方向にはほぼ動かない。これによりスレチヌへのプレッシャーを極力減らす事が出来る。巻いてドッグウォークするトッププラグも存在しているが、巻いてフラフラと泳ぐ事を選択したのは「止めずに止めたい」から。ここまでスレている個体が長距離を追ってくれる事は少ない。だから、ただ巻きでドッグウォークさせるとすぐに追う事を諦めてしまう。水中に入ってフラフラと水面直下を泳ぐ→止める→フラフラと浮上する。水平方向には止めている事になるが、垂直方向には動いている=見切られにくい+水面に追い詰めたと思わせる事が出来る。このヒントを得たのはエリアクランキングでの喰わせ方だった。

もう一つの理由は「シーバスでも使いたい」から。
特に春から初夏のイナッコ・ハクパターンで、ベイトを散らしてからその後のふらつきで喰わせるという釣り方をシャローミノーでやっていたが、群れの下まで突っ込んでしまいベイトが散り過ぎてしまう。ポッパーであれば突っ込んでも10㎝程までしか入らず、音や飛沫も使えるので都合がいい。その後のフラフラとしたスローリトリーブで喰わせるというのはイメージしやすい。また、明暗の表層にポケーっと浮いている個体に対する選択肢の一つとしても使える。サイズ感的にやや反則感は否めないが・・・。53㎜という小型ながら余剰浮力は多めに残している。フロロ16~20lbリーダーというシーバスセッティングでも使用したいというのがその理由である。20lbまで上げると、ネチネチとターンするキレは鈍くなってくるが、タダ巻きの水絡みが良くなるのでトップも出来るシャローミノーに逆転する。

なぜミニコバコなのか?

 ここまで特性を説明してきたが、そもそもなぜ「ミニコバコ」なのか?コバコとは「香箱(コウバコ)」の事。ミニコバコのフォルムが猫の「香箱座り」に似ている事からその名前を付けた。トップチヌの楽しさは、チヌを観察して好みの動きと間、アクションの強さや質など様々な技を繰り出して様子を伺いながら「その1匹」と1対1で遊ぶ事にあると思う。良くトップチヌのコツを聞かれた時に答えているのが「猫じゃらしで猫と遊んでいると思ってください」と答えているのがその事。警戒心が強い割に好奇心も強い性格が猫と少し被っていて、口元にもう1匹小さな猫=ミニコバコが居れば楽しいんじゃない?というのがミニコバコ。その根底には、ツラい猛暑の中でもあの頃の夏休みのように楽しんで遊びたいという想いがある。

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